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冬の優しい朝日が燦々と降り注ぐダイニング。
暖炉に灯る暖かな炎…
焼き立てのパンの香りに淹れたの珈琲…
そして心地好い時を演出するヴィヴァルディの旋律…
「櫻さま…珈琲のお代わりはいかがでしょうか?」
あぁ…
そうそう…
こんな優雅な朝食夢見てたのよね~
正にここは天国~…
「っじゃなくってっ!!!」
“ガシャンッ!”
「きやっ!!」
突然大きな声を発した私に驚いた、私のお世話係の田所さんは、その拍子に手にした物を倒してしまった。
「ご、ごめんなさい!」
そんな田所さんに透かさず謝る私。
そして、田所さんと一緒にこぼれた珈琲を拭こうと近くにあったナプキンを手に取り、しゃがみこんだ。
「お止め下さい。櫻さま!私の不手際でごさいます。お戻り下さい!」
「えっ!?何言ってるの?私が驚かせたから…」
田所さんの発言に、驚きながらも床を拭き始める私。
「何をなさっているのですか!お席にお戻り下さい、櫻様。閣下の御前でございますよ!」
するとそんな私の背後にピシャリと響く、私のもう一人のお世話係、アンジェラさんの声。
その年季の入った声に私はたじろぐと、“ごめんね”と一言田所さんに告げ、しぶしぶ席へと戻った。
“…っはぁ~~~”
全く何をやっているんだか……
ここに来て2週間。
慣れない。
全っく慣れない…この生活。
第一、何で側役の私にお世話係が付くのよ!?
むしろ、私の扱いとしてはそっち側じゃないの!?
自分が悪いのに謝られ、自分が原因なのに始末もできない…。
私はこの仕えられる生活に息苦しさを覚え始めていた。
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