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「相原君…ちょっといいかな?」 そんな最中、大崎課長に声をかけられた。 「あっ…おはようございます、課長。大丈夫ですが、前回仰られてたデータの集計はまだ途中…」 「いや…プロジェクトのことじゃないんだ…。まぁ、部屋まで来てくれ…」 「えっ!?あっ…はい…」 プロジェクトの事以外で呼び出されるなんて…。 私はその理由を探るように最近の出来事を回想しながら席を立ち上がる。 すると、ちょうど2つ離れた島に座っていた由香と目が合った。 由香は課長に声をかけられた様子を見ていたようで、“どうした?”と口を動かし私を気遣う。 私はそんな由香に見当もつかない状態を首を捻ることで表した。 “トンットンットンッ” ほどなく私はオフィスの中程に位置する半透明の課長のブースへと足を向け、そのドアをノックする。 「はい…」 「失礼します」 課長の返事を確認すると、私は掛け声と共にそのドアを開き中へと入った。 「朝から呼び出して悪かったな…。」 「いえ…」 なんとも、課長の神妙な話し出しに私は更に緊張を高める。 「相原君…。営企に来て今年で何年だ?」 「えっ!?あっ…はい。今年で5年目になりますが…」 思ってもみない切り出しに、思わず驚きの声が漏れるが、課長の問いに素直に答えた。 「そうか…。確か君は工藤君と同期だったよね?工藤に次いで君も出来ると思ってはいたんだが…」 「あ…あの?課長?」 話の見えない課長の言葉に私は溜まらず本題を促すように声をかけた。
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