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就職活動で忙しくしていつも苛立っている先輩とは、喧嘩ばかりしてしまっていた。それでも先輩の就職が決まった時には、また元通りになると淡い期待があったのに。社会人になった先輩には俺のことがガキっぽくて煩わしく思えたようで、希望は煙のように消えてしまった。別れる時には、悲しいし悔しいけれど、少しほっとしてしまったんだった。喧嘩ばかりしてた最後の一年は、俺が好きだった先輩とは違う人間になってしまったように感じてたから。
それからしばらくして、毎晩目の前に現れる彼のことを良いなと思いはじめて。煙草を変えた。
セブンスターの味は、もう忘れてしまった。
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