魔法使いは嘘つきだ!

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******* 開いた暗幕。 そして、ゆっくり現れたおじさん。 おじさんは、ステージの中央までやって来ると、被っていたシルクハットを胸に抱き、ゆっくりと、深々とお辞儀をした。 同時に、観客の期待が拍手となって溢れる。 ステージの上から観客の期待を一身に受けたおじさんは、たくさんの拍手に満足したようで、ニッコリと観客に微笑んだ。 そして、手にしたステッキを空中に放り投げると、一瞬で、ステッキは花束に変わった。 「わぁ~」 感嘆から漏れる声。 そして、沸き上がる惜しみ無い拍手。 そして、マジックショーは始まった。 ステージ上で次々に起こる魔法の数々。 その度に沸く歓声。 しかし、僕はそんな拍手すら忘れ、羨望の眼差しを向けていた。 魔法使いだ。 本物の魔法使いがいる。 奇術という名の魔法は、僕を一瞬で虜にした。
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