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ジリジリと焼けつくような太陽と、鳴り止まない蝉達の大きな鳴き声、向日葵が天高く咲いているある夏の日
いつものように私は縁側に寝転がっていたら、玄関の方から元気な声が聞こえてきた
「こんにちはー!!」
郵便屋さんのおじさんの声と違って少し甲高い子供の声だった
(…………誰か来たのかな?)
瞼をうっすらと開けて耳を澄ませる
「いらっしゃい、優哉君。よく来たわね。外は暑かったでしょう?上がって、上がって」
嬉しそうなお母さんの声
「おじゃまします!あっ、これうちのお母さんがおばさんにって」
「まあまあ。そんな気を遣わなくても良いのに。ありがとう、優哉君。お母さんによろしく言っといてくれる?」
「分かった!」
だんだん声が近づいてくる
恐らく私がいる居間の扉の奥にいるのだろう
「そうだ。優哉君にうちの子を紹介するわね。雪~」
お母さんが私の名前を呼びながら居間に入ってきたから、私はお母さんの方に顔を向ける
自然とお母さんの少し後ろにいる男の子も視界に入る
首を傾げながら男の子を見ていれば、お母さんが私を抱き上げた
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