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子供の頃の友人グループに、三村聡という少年がいた。
彼は俺の一つ上で、グループのリーダー的存在だった。
気が強く、いじめッ子気質な少年で、イタズラを成功させては、八重歯の覗く満面の笑みで笑っていた。俺も度々、泣かされていた。
たけど少年は、男としての強さも兼ね備えていた。そんな強さに憧れていたのは、俺だけではないはずだった。
その三村聡に、俺はあの空き地で押し倒された。
今、志村聡美がしているように、馬乗りになり俺を見下ろし、言った。
「オレのモノになれっ!」
どういう意味なのか、小五だった当時の俺には理解できなかった。。
ただ、純粋に怖かった。
俺は弱いながらに力を振り絞り、彼の拘束から逃げ出した。
それが、引っ越しの前日。
それから十ニ年。俺は、その記憶を必死に消して生きてきた。
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