思い出

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「久し振りだな。懐かしいな~」 仕事の関係で、寄ることとなった町。 懐かしいな町に足を踏み込み、懐かしい空気を思いっきり吸う。 俺がこの町を離れたのは、小五の頃。父親の仕事の関係で遠方に引っ越すことになった。 それから、十ニ年。 一度も帰ることのなかった町に、今日、帰ってきたのだ。 町並みは、長い年月ですっかり様変わりしている。駄菓子屋がなくなり、真新しい民家になっていたり、逆に民家だったものが、おしゃれな店に変わっていたり。さすがに、十年以上の時が過ぎれば町の姿も変わる。 僅かな寂しさを感じながらも、俺は記憶なかの町と現在の町の相違点を探すことを楽しんでいた。
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