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「……おっ。ここは」
昔、何度も歩いた道を進んでいると、だだっ広い空き地に突き当たった。
「懐かしいな。ここは変わってないなぁ」
民家の間にぽっかりと空いた空間。
そこは、子供の頃、毎日のように遊んでいた場所。
そこは昔と全く変わっていなかった。
記憶のままで、子供たちが遊んでいる姿も思い出される。
「あの頃は楽しかったな~」
独り、感慨にふけっていると、
「あれ? もしかして、祐司くん?」
背後から、俺を呼ぶ声。
振り返ると、女性が一人、俺の方を見て驚いたように目をぱちくりとさせていた。
「あー。やっぱり祐司くんだ! 高城祐司くんでしょ」
懐かしそうに俺の名を連呼する女性。
しかし、俺は彼女に覚えがなかった。
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