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そんなモヤモヤを抱きながらも、俺は聡美を自分の部屋に呼んだ。
彼女の手料理に舌鼓を打ち、会話も心なしか普段以上に弾んでいる。
お互いが、これから行われるであろう事に、無自覚に意識し興奮しているのだろう。
「…………」
「…………」
ふいに訪れる沈黙。
見つめあう視線が近付き、唇が重なる。
俺の手が彼女に触れようと動いたときだ。
「――――!?」
ついさっきまで彼女が映っていた視界が、真っ白な天井に変わった。
そして、腹に温もりと重みが伝わる。
訳が分からず、天井を見ていると、あのイタズラをした後に見せる、八重歯の覗く笑顔で彼女が覗き込んできた。
「――えっ!? 聡美? 何してんの?」
混乱する俺に、聡美は馬乗りの状態で答える。
「私のモノになってよ」
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