第二部

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木の扉のようなものの前で深呼吸を数回して息を整え、意を決して扉を開いた。 すると、中は洞窟の空間を利用した大きな酒場になっていた。 暖かな空気の流れを感じる。 いくつもの蝋燭の明かりが酒場内を照らしている。 木の太い根が酒場内に張り巡らされているのが分かった。 奥を見ると、木製の棚に各種酒樽や酒瓶、グラス。 バーカウンターといくつものテーブルがあり、そしてカウンターの奥にキッチンがあるのか、ジュウジュウと肉を焼く音と調理・洗い場スタッフたちの声が聞こえた。 「サラマンダー、もうちょっと火加減落として。そのままだと焦げちゃう。」 「御意!」 「ウンディーネ、洗い物追加!こっちのパンとナイフ、スキレットをお願い!パンとスキレットは洗剤使っちゃだめよ。」 「こころえてます~」 呆けてしまい、立ち尽くしてしまう。 だが、真樹斗が一番驚いたのは客の姿だった。 店員は人間の女性のようだが、客にはRPGに出てくる姿のままのオーク、ゴブリン、音楽を演奏しているエルフ、お行儀よく人間のようにイスに座っている犬(よく見ると服を着ているので狼人間か?)、そして身長が低い割にごつい身体をした年老いた男性だった。 年老いた男性が振り向いて真樹斗に声をかけた。 「おう、お前さんもお客か?そんなとこに突っ立ってないで、こっちで飲んだらどうじゃ?」
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