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「○×県・・・はて・・・どこかで聞いたことがあるような・・・」
「クエヴァスじいさん、○×県っていったら、ほら、冬彦の・・・」
「おーおーおー。なるほど。合点がいったわい。そうか、冬彦と同じ出身なんじゃな。」
カウンター内の女性エルフとクエヴァスと呼ばれたドワーフの男性は何か納得したようだ。
「お主、人間じゃな?」
「あ、はい。なんでわかったんです?」
「フフフ、実はな。おぬし意外にも冬彦という人間がここに来たことがあるんじゃよ。」
「そうそう、冬彦の家の庭にある木の穴とここの世界が以前繋がっててねぇ。」
「冬彦は何度もこことお主の住む世界を行き来してなぁ。ワシらに色々なことを教えてくれた。人間が飲む酒の作り方、うまい料理のレシピ、人間の文化・・・ほれ、あっちでゴブリン共がやっておるのは、冬彦が持ってきたトランプじゃ。恐らくポーカーをやっとるんじゃろう。」
ゴブリンたちの方に目をやると、気づいたらしくこちらに手を振った。
どうも5枚のカードをみんな持っているのでポーカーをやっているようだ。
(夢にしては色々と設定が細かいなぁ。)
真樹斗はまだ夢の中にいると思っていたのだが、真実は彼らの言うとおりであった。
大きな空き家の持ち主は冬彦という男性であり、世界同士が何かの力で繋がったためそこから冬彦が世界同士を行き来して人間の文化をこちらの世界に広めたのだった。
少しずつ酒が回ってきて陽気になり、真樹斗が周りの客たちと打ち解けだし、色々な会話をするようになっていく。
美味い料理、酒、会話も弾んでいく。
真樹斗はゴブリンたちのテーブルにいって、ポーカー以外のカードゲームを教えながらプレイする。
「ババ抜き」と「ジジ抜き」と「大貧民」を教えてやり、ゴブリンたちと楽しく盛り上がる。
ゴブリンはすぐに思ったことが顔に出るため、本来なら真樹斗の圧勝であったが手加減の接待プレイを続ける。
そして数ゲームやった後カウンターに戻ってきた。
ゴブリンたちが「大貧民」に硬貨を賭け始めた。
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