第11章 ダンサー

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「どうりで。美しい身体の線をしているはずだ」 最初から遠慮なんて言葉 この人の辞書にはないんだろう。 天宮征司は舐めるように 僕の身体に視線を這わせると 「だが、このファッションは――我が家に出入りするご婦人方にはいささか刺激が強すぎるようだ」 ようやくざわつくあたりを一瞥して 冗談めかした咳払いをした。 「……申し訳ありません」 「なんだ、喋れるのか」 僕が重い口を開いた ちょうどその時――。
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