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私、七海綾乃(ななみあやの)は幼稚園からの幼なじみで、とても仲良しの、
長岡良樹(ながおかよしき)
真山瑞穂(まやまみずほ)
今野風輝(いまのふうき)とゲーセンで遊んでいた。
「良樹、男と男の勝負だ!」
風輝が格闘ゲームたる機械に座って、良樹を手招きで呼んだ。
「さっきもやったんじゃないの?」
色々なBGMや効果音が騒々しくて、私は声を張って風輝に言った。
「さっきはさっき。今は今!」
全く、男ってやつはどうしてこういう騒がしい場所が好きなんだろうと本当に思うときがある。
産まれて中三までで、私がゲームセンターに入ったのは今日入れて三回ぐらいで、以前来たときも殆ど良樹と風輝の二人がはしゃいでいるのを私と瑞穂が見物しているようなものだった。
「俺パス。」
「なんで?」
「なんでも。」
「ちぇ、つまんねえな。」
「私がやるよ。教えて風輝。」
見かねた瑞穂が良樹の代わりにゲーム機に腰を下ろした。
「よっしゃやろうぜ!」
少し不満そうだったが、対戦相手ができたことで、風輝は機嫌を取り戻したようだった。
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