青春.... 感情

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季節は六月上旬。 日曜日の夕方。 気温もちょっぴり暑く、夏の香りが漂う時季 になった。 去年の夏休みから、もう一年近くも経過したなんて、時間というものが、とても早く思える。 私は、良樹、瑞穂、風輝と昼間から繁華街でショッピングをしてきた。 今日は大安売りのバーゲンセールだったので、調子に乗って私はカゴに服を詰め込んだ。 その後、ニ時間ぐらいは百貨店の中をブラついていたが、目的もなく、ただ時間を掛けてあれもこれもと眺めるのに男連中は退屈そうに私と瑞穂の背後をダラダラと歩いて着いてくるだけだった。 私も瑞穂も、何も買わなくても見るだけで楽しいのに、良樹と風輝はまだ見るのかよ。もう帰ろうぜ。と口にはしないが顔の表情から、きっとそう思っていたに違いない。 瑞穂と二人きりなら、五時間ぐらいはいけるだろうが、そういう意味で三時間というのはまだ控え目のウインドーショッピングである。 その後はちょっと遅めの昼食を(夕食みたいなものかも)ポテトやバーガーなどファーストフードを食べて済ました。 私はママに頼まれていた用事があったので、先に帰ると伝えて三人と解散した。 今、その帰路に就いている途中である。 服とか張り切りすぎて買ったので、手提げ袋が3つになってそこそこ重い....。 もう少しで家に就くから頑張ろう、と気合いを入れ直していると、正面の道からクラスメイトの鳥居鈴菜(とりいりんな)が歩いてきた。
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