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鳥居さんはいつも、全然笑わない女の子だった。
無口で暗くて、何を考えているのか分からない。
クラスの誰とも会話をしようとしない、一人浮いた存在だった。
そういえば、私はまだ話しかけたこと....なかったな....。
「鳥居さん、こんにちは。」
鳥居さんとすれ違う間際、私は声を掛けた。
「え?!」
鳥居さんは、声をかけられたことに驚愕し、私を注視すると、何故か酷く動揺した素振りを見せた。
「どうしてそんなに身構えるの?」
「別に....。」
「鳥居さんの家もこの辺なの?」
も、というのは私がこの界隈だからである。
「ち、違います!」
鳥居さんは激怒した。
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