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翌日、一限目の授業が終わり休み時間になったので、私は鳥居さんの席まで足を運び、声を掛けた。
「鳥居さん....おはよう。」
鳥居さんは、A四サイズの用紙に釘づけのように眺めていたが、私の声にビクッ!と反応して身構えた。
「....なにかご用事ですか?!」
そう言って私を軽蔑するように睨む鳥居さん。
相変わらず、人を寄せつけない迫力だった。
「別に用事ってわけじゃないけど....。」
「だったら、ほっといてもらえますか?」
鳥居さんは、私から視線を用紙に戻した。
別に内容を覗くつもりもなかったのだが、鳥居さんが堂々としているので、目を逸らさない限り、視線に入ってきてしまうのだ。
本人も見られて嫌な物なら、隠したり伏せたりするだろうから、多分お好きにどうぞということなのだろうけど。
用紙にはワープロで記載されていて、鍵かっこがつけられていたり、何か台詞のようなものが書かれていた。
ここ重要という意味かどうかは分からないが、所々、ピンクのラインマーカーが引かれている。
これは....劇か何かで使う台本というやつではないだろうか?
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