恋愛.... 妊娠

2/30
前へ
/288ページ
次へ
水曜日の学校帰り、風輝は同じクラスで新しく出来た友達の山村信太(やまむらしんた)と、住谷守(すみやまもる)とでカラオケに来訪していた。 信太は、目立ちにくい茶髪に、右耳にピアスをつけているヤンキー風の青年で、守は眼鏡をかけて坊っちゃん刈りの気が弱いタイプだった。 まるで正反対の二人が仲良しになった切っ掛けは、中学校二年生のときの体育でやったソフトボールの授業からだった。 試合をする前の準備運動として、キャッチボールのパートナーを信太が探していると、偶々近くに居たのが守だった。 しかし、守はボールを受けることも、投げるコントロールも不器用すぎたので、その運動オンチが逆に信太のツボとなった。 「こいつ、おもしれぇ~!」 その出会いが切っ掛けで信太は守に積極的に話し掛けていった。守も最初は信太の身なりや積極さが怖かったが、そのうち、良い奴だな~と思うようになり守は信太と腹割って話せる中になった。 同じ高校に入ったのは偶然が重なっただけだった。 どちらも成績優秀というわけでもなく、偏差値や内申の関係で受けられる高校が限られたため、たまたま同じ高校入試をした結果、見事合格、後(のち)、同じクラスになったという流れである。 信太は授業中、ぐうたらと机に寝そべっているか、後ろの席の男子(それが風輝)と無駄話をしているかのどちらかしかない。
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加