11人が本棚に入れています
本棚に追加
「なあ、風輝は女子とかにも来て欲しいよな?」
唐突に、信太に話題を振られた風輝は、ぎこちない笑顔を返した。
風輝には気になっている女子が身近に居た。
そう、本当に身近だった....。
いつも近すぎる距離に居て、恋をしていることにさえ気づかなかったのである。
最近までは側を歩いているだけで、心臓の鼓動が激しく増すなどという現象はなかったのだ。
思春期になるまで意識はしていなかった。
友達としか見ていなかった。
そんな相手に関心を抱くようになったのである。
それは誰にでも訪れる感情だった。
ただ、身近ではないほうが嬉しかった。
風輝は迷っていたのだ。
この感情に素直になるべきなのかを....。
最初のコメントを投稿しよう!