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風輝は最近、仲良くなった友達と一緒に寄り道などをして、つるむことが多くなった。
「ねえ、良樹....。」
「うん?」
「このまま私達、離れて行っちゃうのかな....。」
瑞穂の口調はいつにもまして、寂しげだった。
「結局、子供だったのかもしれないな....俺達。」
蜜柑色(みかんいろ)の空を見上げながら良樹は言った。
「ずっと今まで一緒に歩いてきたから、これからも一緒なんだと思ってた。でも、高校生になって気がついた。大人になって行くってことは、それぞれに道が出来るんだ。」
「今までのように一緒、なんて無理か....。」
瑞穂は溜め息を空に向かって吐いた。
「まだ冬じゃないから、白い息は出ないね....。」
瑞穂は、無理に何かを言って自分を励まそうとしていた。
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