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瑞穂は四人の中で一番、繊細な心の持ち主である。
涙脆く、感受性が強い為、よく不安になることもあり、綾乃、良樹、風輝が側に居てくれるから、困難にも乗り越えていける自信があった。
このまま独り、取り残されたらどうしよう....。
瑞穂は今、堪らなく不安だった。
もっと強くなりたい....とさえ思うぐらいに。
しばらく無言の時間が続いた。
どんなに明るい話題を口にしても、気まずくなるだけと良樹は思った。
俯き、気力の失われた瑞穂の小刻みな足取りに合わせて、良樹は隣を歩いた。
背後から迫る学生達に追いつかれては、あっという間に越されて行く。
そして、その背中も見えなくなっていくほどに、二人の歩くスピードはゆっくりだった。
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