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「瑞穂は、夢とかないのか?」
やっと切り出せた会話がそれだった。
「前々から、良樹には相談しようか迷ってたことがあるんだ....。」
返ってきた答えが予想と違ったので、良樹は少し戸惑った。
「笑わないでね、真剣だから....。」
「笑わないから、迷わず話せ。」
瑞穂は深呼吸をして、緊張をほぐしてから、出来る限り良樹の目を見ないように語り出した。
「私ね、中二のときから、ずっと風輝のことが好きだったの....。変だよね、いつも一緒なのに。恋する想いがどんどん膨れ上がってきて、治まるどころか、もう苦しくて仕方がないの。何処が良いんだろうねあんな奴。自分でも分からないけど、将来、風輝と結婚なんかしちゃって、素敵な家族を築けたらな~って、そう思う....。」
そうなれたら幸せだけど、フラれるかもしれない怖さと、幼い頃から築いてきた親友としての関係さえも、一瞬で失うかもしれない。
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