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席に座るとき、私の中で小さな葛藤があった。
拓海を恋人として紹介するならば拓海の隣に、そうじゃないならお母さんの隣に座るべきなのかな…って。
たとえ反対されても、きちんと拓海の事を紹介しよう。
私は拓海の隣に座ることに決めた。
「お母さん、こちら、恋人の桐生拓海さん」
「初めまして。桐生 拓海です。
よろしくお願いします」
拓海が頭を下げると、お母さんも慌てて「よろしくお願いします」って頭を下げている。
あれだけ紹介してほしいって言ってたのに、いざとなるとめちゃめちゃ慌ててるし……。お母さんの態度を見てフッと気持ちが和んだ。
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