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駅裏にあるドラッグストアーは、その立地もあって客足が伸びていなかった。
「今日からお世話になります」
笹塚ケイトは今春の大学受験に失敗し、浪人生となった。
一年間、勉強だけをしていられるほど家は裕福ではなく、だから予備校はとても無理で、時間を見つけては図書館で問題集や参考書で勉強をしていた。
「アルバイトの経験はありません。分からない事ばかりですがヨロシクお願いします」
まだ十八歳のケイトは主婦パートのおば様達に温かく迎えられた。
「いくつなの?」
「カノジョはいるの?」
初々しく映っただろう。カノジョいない歴、十八年。つまり女の子と付き合った事もなければ、キスもなかった。
「一緒に品出しをしましょうね」
初日、ケイトの教育係を担当したのは主婦パートの阿部ミナミで普段はコスメを担当していて、黒いノースリーブのワンピースを着ていた。
色白で肌も潤いがあり、三十路と聞くまでは主婦にすら思えなかった。
多分、スッキリとした顔立ちと少し栗色のショートヘアが似合っていたからかも知れない。
「ヨロシクお願いします」
ケイトはミナミと一緒にバックヤードに向かった。
「あそこからトラックで荷物が降ろされるの。だからこれで荷物をバックヤードに一度保管するの」
ケイトは百七十七センチある。
少しヒールがあっても、百六十センチに足りないミナミと立ち話すると無意識に視線は見下ろしてしまう。
「このダンボールを台車に乗せて!」
「ハイ!」
言われるままケイトは大きなダンボールを一人で台車に積んだ。
「もう一つ、乗せられる?」
上の棚を指差したミナミの脇の下がノースリーブのワンピースから覗いていて、ケイトは一瞬視線を止めた。
「腰を気をつけて」
「ハイ!」
ケイトはミナミが白いブラを付けていると分かってしまった。
「店内まで押してくれる?」
「ハイ!」
客に注意して、ケイトはミナミに言われるまま台車でダンボールを運んだ。
棚の前までくると、そこでダンボールを開いた。
「中にトイレットペーパーが入っているの。こんな風に取って、棚に並べてくれる?」
ダンボールを挟んでミナミが前屈みになる度に、胸元がパックリと開いて意外に豊満な胸の谷間が現れた。
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