プロローグ

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おかげで毎日放課後は西谷先生の相手をしてるわけなんだけど、西谷先生は保健室の先生で暇な時間が多いから本をいっぱい読むらしく、いっぱい俺に本を勧めてきた。 俺は本は嫌いだったが、断ることもできずとりあえず勧められた本を読むことにした。 気づいたら俺は本の面白さにハマってしまい、それ以降は軽音部が鳴らしている爆音の横の部屋で本について語った。 他にも西谷先生はほとんどの教科は得意で、放課後の時間は俺の勉強時間にもなり、高校時代の勉強は大して苦にもならず、楽しく勉強できた。それでいて成績は決して低くはなかったから、西谷先生の勉強は本当に役に立っていたってことになる。 いつも間にか仲良くなった俺は西谷先生を「にっしー」って呼ぶようになっていたし、西谷先生は俺を杉本くんではなく、蓮って呼ぶようになっていた。 宏樹と俺はにっしーの家にもよく招かれるようになり、あまり家にいることはないが、にっしーの彼氏の奏多(かなた)さんとも仲良くなった。 奏多さんは宏樹のバンドの話をニコニコしながら聞いてくれるとても優しい人で、宏樹は俺がにっしーと話している横で奏多さんと音楽について語ってばかりいた。
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