第1章
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「俺の大切な人が十二年間、忘れずにいてくれたら、一度だけ願いを叶えてくれるって」 「何そのファンタジー? てか、大切な人って家族とかじゃないのか?」 九歳の子供が考えるのはそんなことだと思う。 「さちは知らなかっただろうけど、生まれて直ぐに両親が離婚して再婚。さちが知ってる母さんは義母だったしな」 俺も後になって知ったが、ゆきの家は色々と複雑な家庭だった。 .
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