三田蓮1

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「ま、忘れてるなら話は早い。あいつにはもう逢ってやるなよ」  だからあいつって誰ですか。  遮りたいけども我慢して先を待つ。 「もし日常生活で何かあっても、向こうから何かしてきても逢うな。お前の為でもあるが、あいつの為でもある」 「あのー……」 「じゃあな」  訊ねようとすると、そんな隙も見せず通話は切れてしまった。  釈然としないまま、つららの隣へ歩み寄る。 「何だったの?」  さあ、と首を傾げる事しかできなかった。 「記憶にない三日間についてかなー、っていう感じはするんだけど」 「またか」  歩き出すと、ふいに会話は途切れた。  気の早いクリスマスソング、赤緑白のイルミネーション、街路灯の飾り付け。  街が、降るかも判らない雪を待ちわびている。  しかしおれの心のなかは、じりじりとした緊張に覆われていた。
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