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目的のショッピングモールが目前に迫った。外からでもクリスマス商戦真っ只中なのが見てとれる。
吸い込まれていく客は、家族連れやカップルがほとんどだった。
現におれとつららの周りを歩くのも、そういった顔ぶればかり。
赤信号で立ち止まると、つららは横目を寄越して口を開いた。
「……マジなの?」
「今の所はね」
自分でもよくわからず、曖昧な返事しかできない。
「ふーん……」
彼女の視線はついと前へ戻る。
「病院にでも行けば」
それは無関心から言い放った言葉なのか、それとも裏に心配が隠れているのか。
関係ない人が聞けばきっと判らないだろう。
「あとで」
まったく、つくづく名前の似合わないやつだ。
「さ、行こっか」
信号が青になる。
雑踏に紛れてショッピングモールを目指した。
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