夏氷2

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「何処で?何時頃?俺、何してた?」  次々飛ばす質問に、 「何処って、ゼミで……」 と口ごもる。  そして、怪訝そうに俺を見ながら、 「何?覚えてねーの?」  と、眉間にシワを寄せた。  そいつの話によると、ゼミ終わりで遊びに誘われたのを断った俺は、 「じゃあな」 と軽く手を挙げ、家とは反対方面に向かう電車のホームに降りて行ったらしい。 「他に何か言ってなかった?何処に行くとか?誰と会うとか……」  俺が食い気味でそう詰め寄ると、一瞬考えてから、 「……ああ」 と何か閃いたように声を上げた。 「何かさ、夢を叶えに行くとか何とか……。あれって冗談だろ?」  知らねーよ。  てか、何だよそれッ!
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