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『11月20日(金)、晴れのち曇り、ドライバーの皆様は本日も安全運転を―― 』
致命的な問題が、突如として現れた。
運動不足の両脚で懸命に駅へと走る途中。
少しずつ鮮明になっていく寝起き頭の中で。
その致命的な問題とは、朝起きたときに何となく何かが足りないという曖昧な感覚を覚えたことでも、ドアノブに掛かっていた可愛らしい字の謝罪文に心当たりが無いことでも、幼なじみを長いこと駅に待たせていることでも、ましてスマホが故障していることなんかでも断じてなかった。
俺は静かに溜息する。
ああマジか、マジであるんだなこんな事、と。
意外と冷静だった。いや、単に脳の処理が追いついていないだけかもしれない。
衝撃的に違いない事実を、頭の中で反芻する。
――俺のここ3日間の記憶が、まるっと全部抜け落ちている。
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