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「いてて。強いな。参りました。レベルも同じなのに装備差ですかね?」
「完全に腕の差だろ? いや、むしろ腕の差だろ」
何こいつ殴りたい……
意味もなく二回も言いやがって。
制裁措置を終え立ち上がった俺は、目の前の不躾な男と会話を続ける。
「あはは。やっぱりそうですよね」
「まあ、俺はいつもこの時間にはここにいるからさ。いつでも胸を貸すぜ」
こいつは……
一度勝ったくらいで、もう格上のつもりか。
しかし、俺は大人で紳士だから、そんな態度はおくびにも出さない。
「いや、助かります。また機会があれば、よろしくお願いします。ではまた」
大人だ。
紳士たる俺は、すぐさま彼の名前を確認し、ブラックリストに登録する。
ブラックリストに登録した相手とは、それを解除するまではゲーム内でもう二度と会うことはない。
さようなら。二丁拳銃の糞野郎。
俺は心の中で呟いた。
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