♯45

15/20
1690人が本棚に入れています
本棚に追加
/627ページ
翌日、仕事が終わると島崎君に声をかけた。 彼にはいつも救われてきたから、そろそろお礼しなきゃいけないと思い食事に誘った。 もちろん、ヒロ君に断った上で。 「うまくいったの?」 豪快にビールを飲み干してから、彼が訊いた。 「あ、うん。ありがとう。島崎君が助けてくれたから」 「だから俺じゃねえって。そんなことしたって俺は得しねえもん」 「そうやんな。じゃあなんで?」 「そーゆーのは黙って察するもんだろ」 ……? それ以上は教えてくれなかった。 「ああ。それから、これは俺の独断でこの前は言わなかったんだけど」 店を出て歩き出すと、彼はそう切り出した。
/627ページ

最初のコメントを投稿しよう!