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翌日、仕事が終わると島崎君に声をかけた。
彼にはいつも救われてきたから、そろそろお礼しなきゃいけないと思い食事に誘った。
もちろん、ヒロ君に断った上で。
「うまくいったの?」
豪快にビールを飲み干してから、彼が訊いた。
「あ、うん。ありがとう。島崎君が助けてくれたから」
「だから俺じゃねえって。そんなことしたって俺は得しねえもん」
「そうやんな。じゃあなんで?」
「そーゆーのは黙って察するもんだろ」
……?
それ以上は教えてくれなかった。
「ああ。それから、これは俺の独断でこの前は言わなかったんだけど」
店を出て歩き出すと、彼はそう切り出した。
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