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「彼氏が言ってたんだ。チビと一緒だから心配すんなって」
「……!」
思わず足が止まった。
「チビなんて言うから、犬かなんかかと思ったんだけど、あんたらのガキのことだよな。さすがに、色男には聞かせない方がいいと思って」
「……よかった……よっちゃんと一緒におるんや……」
もうそこには何もないけど、ついお腹に手を当ててしまう。
「一緒に連れてったんじゃねえのかな。あんたのために」
「私のために……?」
「あんたがもう一度人生をやり直せるようにさ。あくまでも俺の憶測だけど、あの彼氏ならやりそうだと思って」
「そうやな……」
いつだって私のことを一番に想っていてくれたよっちゃんなら、そうするかもしれない。
私なんかには想像もつかないくらい、彼は深く大きな愛で私を包んでくれていたから。
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