お揃い

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お揃い

 ウチの学校のバスケ部には、学校指定の体操服とは別に、男女同じデザインの部活用ジャージがある。  派手というか…正直奇抜なデザインで、はっきり言って評判は悪い。でも伝統あるものだからと、部活中は、男子部も女子部も、  全員がこれを着用することを義務づけられている。 「あーもう、何でウチの部だけこんなのあるの?」 「だっさださで、センス最悪。これ作ろうって言ったOBの人達、何考えてたんだろ」 「大昔は、こういうのが流行ってたんじゃないの?」 「ヤダヤダ。部活に来るたび罰ゲームだよ、こんなの」  着替えのたび、あちこちからぼやく声がする。それにアタシも同調して頷くけれど、本当は、アタシはこのジャージ、嫌いじゃない。  だって。  着替えをすませて体育館に行けば、先に練習を始めている男子部員達が見えた。その中に、憧れの先輩の姿もある。  中学の頃から密かに慕っている、一つ上の高木先輩。実はこの高校を受けたのも、建前上はバスケの強豪だからだけれど、先輩を追いかけてきたっていうのが本音。  その大好きな先輩も、当然だけど部活用のジャージを着ている。  ウチの学校、形は一緒だけど、学年によって体操服の色が違うんだよね。でも、部活用ジャージなら色も形も何もかも一緒。  全員そうなのは判ってるけど、部活中だけは、アタシは、先輩とお揃いの服を着ていられるの。だから、このへんてこなジャージがかなり好き。  …誰にも内緒だけどね。 お揃い…完
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