弐章~地獄を超える地獄~

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「まぁ其方達も折角此処へ来たのだ。宴を満喫して往くが良い」 「そうさせて頂きます」 そう言い残し国王は従者を引き連れ退散していく。 残された我達はまるで嵐の後に立ち尽くす哀れな者の様にぼうっとしていた。 結局国王は何の目的で我達の目の前に現れたのだろうか? 唯会うだけの理由で普段息着く暇も無い立場の者が予定を崩してまでする事では無いと思うが。 「突然過ぎて頭が真っ白...」 「我もだ。一気に酔が覚めたぞ」 「まぁまぁ。また飲み直せば良いのさ、アルド」 まぁ何方かと言うと後で飛ぶ時に支障が出るので覚めていた方が良いのでそのままでいいか、と思いもしたがアドルフォの誘いを受けてやはり飲み直す事にした。 彼とも暫くの別れ。今の内に彼達と話しておきたかった。 「ああ、ああ。そうだな、飲み直すか」
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