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国王が去ってから暫くして、宴の場に残っていたのは私達だけだった。
外は既に暗闇が広がり始めており、それは私達の出発の時間を知らせる証でもあった。
アルドとアドルフォは完全に酔い潰れており、竜用の机に突っ伏している。
その一方酒に強い私やイグリス、ジークは未だ残った酒を飲みながら雑談に花を咲かせている。
菖蒲とエリーはハンナと共に会場の始末をしていた。
「そう言えばローズ。お前、アルドに気があるんだろ?」
「え?どうしてそれを...」
「あぁ...。鎌掛けただけなんだけどな」
「やってくれるわ...」
イグリスの事だから全て見抜いていると思っていたけれども、どうやら今回は鎌を掛けられたようだった。
私はしてやったりな風な顔をしているイグリスを一睨みすると彼は肩を竦める。
「おお。アルドを旦那にって訳か?アイツなら君に適任だろうなぁ」
「あら。ありがとうアドルフォ。貴方も同じでしょう?エリーと」
「まぁな」
彼も此の戦いで何かしら変わった。何というか、目の輝きが。
アルドも同じような雰囲気だったのを思い出して惨劇なだけだった争いに少し意味があったのかと思い直す。
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