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「ドラゴン同士での会話の隙間に悪いけど...。そろそろ支度をした方がいいんじゃ無いか、ローズ?」
「あ、そうね。...先ずはアルドを起こさないと」
いよいよ次の日になってしまうのでは、とでも思ったのかジークが私達の間から縫うように出てきてそう言う。
確かに空を見れば既に暗闇に包まれており、美しく輝く月と星が見える。
そして私は肯定の返事を返すと緩慢とした足取りで机に突っ伏しているアルドの元に近づく。その寝顔は賢竜と戦っていた時の険しく、勇ましい顔つきの面影は無くだらしなく涎を漏らしながら鼾をかいていて思わず吹き出しそうになる。
「アルド...。アルド!もう少しで時間よ」
「んむ...ぅ?もう真っ暗ではないか...」
一度の呼びかけでは全く起きる気配が無く、仕方がなく声を少し荒らげて大声で叫ぶと漸く少し驚いた様子で目を覚ますアルド。
未だに半開きの緑眼は月の光で美しく輝き、彼の魅力をより一層助長する。
どうやら既に夜になっていた事に驚愕しているのか、少し慌て気味に支度を始める。
「アルド。私達も彼等を手伝いましょう?皆でやったほうが断然早いわ」
「勿論だ。我も丁度眠気覚ましになるしな」
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