弐章~地獄を超える地獄~

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アルド達の手伝いもあってか片付けは程なくして終わった。 そして綺麗に片付いた一席に全員が集まり最後の雑談をしている。 アルドはイグリスに個人的に伝えたい言葉でもあるのか彼を呼びだし何やら喋っているようだ。 実際彼等は別れる事が辛くて寂しいのだろう、互いの眼は私からみても潤んでいる。私には涙を流せるような相手が居ない故気持ちを理解する事は難しかったが「アルドと別れることになるとしたら」と考えると確かに私も泣くのだろう。 「...菖蒲。何か言いたいの?」 「...」 菖蒲がジーク達の様子を伺いながら此方を見ている事に気が付き、声を掛けると彼女は少し安心したような表情をして此方に近づく。 「...私は貴方達を里に連れて行かないといけない」 「...?里って?」 「...沃竜の里。大婆様がアルドを呼んでいるの」 大婆様...。恐らく彼女の言う”里”の主なのだろう、その主がアルドを呼んでいる? 一体何の目的があって? 彼女の感情が読みづらい事もありその理由は探れそうに無いが、深い事情があるのだろう。
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