参章~峻烈、そして再びの邂逅~

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ローズを従え、扉を押す。 思った以上に抵抗無く扉が開いた事に少し驚きながらも足を進め始める。 ”キュウデン”の中はヴァンダルの時は見た事は無く、そんな暇も無く此処へ来たので初めてだが......。あれだな、豪勢だ。 彼方此方で如何にも高価ですよ、と言わんばかりの物が数多く見られる。我もローズもそれに身入り、様々な所を好奇心旺盛な子供の様に見渡す。 ...今不思議に思ったのだが。この”キュウデン”には誰も居ないのか? 全くと言っていい程何の気配も感じられず、我達の存在しか感じない。ローズに眼で聞いてみるが彼女も首を傾げている所を見ると分からないようだ。 「...?アルド、あれ...」 「むぅ...?彼処か...?大婆様とやらがいる場所は」 彼女が我を呼びある場所を爪先で指している。 その先を見ると何やら強固そうな扉があり、如何にも大婆様が居そうな雰囲気を醸し出している。 「よし、開けてみるか。恐らくはあの中に大婆様はいるだろう」 「ええ。私も同じことを考えていたわ」
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