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「さて、大婆様。茶番はこの辺で終わりにして目的を話してくれませぬか?」
「私からもお願いします。菖蒲は何も答えてくれないのです」
「ああ、またあの子は...」
「...どういう事ですか?」
一番疑問にあった我を呼んだ理由を聞きたい事もあり少し急ぎ口調で言うとローズも気掛かりになっていたのかそう言う。
大婆様は菖蒲の事を聞くと何か思い出したかのように頭を擡げる。
「...その事は済まないね。娘はあたし達の事を話したがらないから無口だっただろうねぇ」
「...娘?菖蒲は大婆様の娘だったのか...」
「その事すら話していないのかい?全く...困った子だねぇ」
イキナリな爆弾発言に我は驚く事も忘れ...と言うよりも菖蒲の薄情さに甚だ呆れてしまっていた。
全く、やはり雌と言うのはよく分からん生き物だな。
流石の大婆様もその事には呆れ返り溜め息をつく。...大婆様も一苦労、という訳か。
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