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かわいい。
かわいい事は、認めよう。
ワタルは勝手に腕を絡ませてくる美少女、サトミを見下ろしてため息をついた。
サトミは暇さえあればこうしてくっついてくる。
かわいい女の子にこうされたいという願望が無かった訳じゃない。
あまりにも、しつこい。
「……あのさぁ。」
ワタルから話しかけてきたことが嬉しいらしいサトミが、ワタルを見上げてくる。
「ちょっと、くっつきすぎじゃないかな。そもそも俺なんかのどこがいいの。」
サトミはワタルの神経質そうな顔が好きだ。
低い声が好きで、細い目で睨まれたら心臓がキュン、となった。
ゴツゴツした指がシャーペンをくるくる回すところも素敵だし、サトミが友達とふざけていて教室の机をたくさん倒してしまった時に、無言で机を直して立ち去る背中に恋をした。
「全部っ!」
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