歪な邂逅 その3

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「――っハァ、ビックリしたあ」  ひとつは、宮藤だった。  胸を押さえ、今まで呼吸でも止めていたかのように酸素を貪り吸っている。  そして、その隣。  頭のてっぺんからつま先まで真っ黒なフードのコートに身を包んだ奇妙な人物が、そこには立っていた。 「――――」  自然、俺は構えていた。  無駄口を叩く余裕もない。  つもりもない。  それくらい相手は、擬態すらしないくらいの異様を辺りに醸し出していた。  見た目は、正直女性か男性かすら判別しづらい容姿だった。  肩のあたりで揃えられたパッツンの黒髪に、怖いほどに整えられた白く美しく繊細な顔立ち。  そして小学生といっても通用しそうなほどの、低身長。  コートにズボンだが、それが少年なのか男装した少女なのかそれとも若く見える小さな大人なのか、その一切がわからない在り方だった。  そしてまるで人形のような、無表情。  意図が、狙いが、まったくこれっぽっちも読めない。
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