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「うー!うー!」
いつ頃だろうか、覚えてはいない。けれども確かにあの時に私は産まれたのだ。
初めてハッキリした意識で見た者は何やら紫色のローブを着用した女性。後から知ることだが、母ではなかったようだ。最初に見たものが母では無いことからこの頃から数奇な運命ということは決定事項だったのかもしれない。
その女性は何やらフラフラとしていたのを強く覚えている。その時の言葉もウスボンヤリとだが覚えている。
「貴女は………レミリア・スカーレット……私の子供とも仲良くしてあげて……」
「……と、まぁ私、レミリア・スカーレットは産まれたわけだ。」
「……こんな状態でよく昔話ができるわね……」
こんな状態とは?
簡単に言うと数十人の銃を持った男性が二人の女性を取り囲んでいる状況だ。
「おーおー、有象無象共が沢山だなー…」
「ハァ…こんなか弱い女の子にこんな物騒なものを持ち出す意味がわからないわ」
「おい、達だろう?」
「何のことかしらね…」
だが、女性二人は全くもって動じず、寧ろ冗談を飛ばしあっている。
「なぜ貴様らはそんなに落ち着いてられるのだ?死ぬことは決定事項なのだぞ?」
男の一人が二人に言う
「え?何故かって?聞かれてるわよレミィ」
「あー?そんなもん決まってんだろ?あれだ、お前らのいう言葉でいうと……」
「アリが恐竜に勝てるかって話よ」
「ちょ、それ私が言おうと思ったのに…」
すると男の一人が叫び出す
「この化け物め!殺せ、殺してしまえー!」
「ふあぁ…小粒の掃除でもしときましょうか……」
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