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責任を取らされるほど悪化していたことに驚きながらもそういうものなのかもしれないと、一平社員である稀世は納得するしかなさそうだ。
一通り話が終わると食べ終えた食器を洗うために台所に立った。
そんな稀世をよそに、慶一と志英がこっそり話していたことはまったく知らない。
「これでやっと念願叶ったわけだ」
「ええ。ようやくあの男を引きずり下ろしてやりました。慶一さんにも見せてあげたかったですよ、これまでのセクハラパワハラの証拠を突きつけられたときのあの男の顔」
「見たかったな。まあ、これでもう稀世と同じ目にあうやつがいなくなるし、稀世に対する所業も許せはしないが一応片はついたわけだしな」
「もっと褒めてもらってもいいと思うんですけど」
「は?」
「そうだなぁ。今日は僕にもお願いしちゃおうかな」
「おい、調子に乗んなよ」
「フフフ」
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