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「慶ちゃん?」 「……とにかく、稀世が無事でよかったよ俺は」  クビになったのに無事でよかったとはどういうことなのかと質そうとした稀世だったが、心底安堵したような顔をしながら頭を撫でてくれる慶一を見ていたらそんな気もなくなってしまった。 「まあ、いい機会だから少しはゆっくりしたらどうだ。あ、そうだ!気晴らしに旅行にでも行くか!」  落ち込む稀世を元気づけようとそんな提案をしてくれる。けれど慶一がすぐに駆けつけてくれただけですでに前向きな気持ちになりつつあった。 「いいねぇ旅行!雪を見ながら温泉とか入りたいな」 「おお、いいなそれ!」 「でも休み取れるの?」 「大丈夫だ。オーナー俺に甘いし」 「またそんなこと言って。オーナー可哀想だよ」
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