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「それより旅行どこがいいだろうな。雪ならやっぱ北陸か」
「うん、北陸北陸!」
「稀世、お前北陸がどこだかわかってんのかぁ~?」
「北陸は、上の方でしょ?」
「まあ間違ってはないけどアバウトすぎるわ」
それから計画とまではいかないが、ふたりで旅行の話をしながらすごしていたおかげか、自分がクビになったという事実もすっかり薄らいでいた。
翌日稀世はいつもよりゆっくり起きた。
時間が時間だったためにブランチを摂り、ネットニュースを見たりネットサーフィンをしたりして過ごした。
その翌日は部屋の掃除をして足りない日用雑貨を買いに出かけたが、三日目にもなるとすることもなく、図書館で本を借りてきて読んでいた。
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