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「ふあぁ~」
退屈すぎてあくびが出る。
平日に仕事を頑張ったから週末の休みが有意義に過ごせるわけで、普段から休みだと全く有り難みがなく退屈なだけだった。
「来週から仕事探そう」
慶一はゆっくりしろと言ってくれたがやはりこのままではだらけてしまってよくない。
すぐに仕事が見つかるとは思えないが、できれば旅行がすんでから仕事を始めたいと思った稀世は、来週からのんびりハローワークに通うことを決めた。
その日の夜、志英から日曜日のことで電話がきた。
『【レストランつむぎ】という美味しい和食が食べられるお店があるのでそこへ食べに行きましょう。お酒は飲めますか?そこは日本酒もとても美味しいんですよ』
「そうなんですか。あまり強くないんですけど飲むのは好きです」
『よかった。じゃあ日曜日六時に伺います』
「はい。それじゃあ日曜日に」
電話を切ってから慶一のことを話した方がよかっただろうかと逡巡したが、いくらなんでも「あなたのことが信用できないので友だちにきてもらいます」なんて言えるわけがない。
慶一もその辺はわかっているだろうから無理矢理ふたりの間に割り込んでくることはないと思うが、念のため失礼のないようにと一言添えてメールを送信し店の場所と名前を知らせた。
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