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教室に戻ると友達が喜んでくれた。
「良かったな。おめでとう」
「ああ、ありがとう」
「お前の作品が選ばれるようにずっと祈っていたんだ」
「そうだったんだ。嬉しいな」
僕は友達の言葉を素直に喜んだ。
そして一ヶ月後、僕は空港にいた。
携帯電話が鳴った。
電話は担任からで遅れずに空港にいるか心配して掛けてきた。
「いいか、向こうで勝手に歩き回るんじゃないぞ」
またノイズが走った。
『さようなら』
担任の冷たい心の声が聞こえた。そして
『さようなら』
『さようなら』
『さようなら』…
沢山の人間の『さようなら』の声が聞こえた。
その声はみんな同じトーンで誰かに言わされている感じだった。
話を終えて僕は電話を切った。
「さようなら…」
僕は呟いてゲートへ向かった。
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