電話の声

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 僕、水沢竜也は最後の高校生活を過ごしていた。  ある朝、自転車に乗って登校しているとハンドルを切り損ねて電柱にぶつかって転び、意識を失って救急車に運ばれた。  それから不思議な事が起きた。  怪我は奇跡的に軽傷だった。  病院から帰って寝ていると友達から電話がかかってきた。  「竜也、大丈夫か?」  「うん、一瞬やばいと思ったけど軽くてよかったよ」  しばらく他愛無い話をしていると頭がズキズキして痛くなった。  友達の声にジジジとノイズが入った。  『ああ、エリとHしてえな』  「えっ…」  急に唐突な事を言い出したので僕は一瞬言葉が詰まった。
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