電話の声

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 その後も誰かを潰すだの殺すだのテレビで見ていた真面目なイメージと違って少しがっかりした。  話が済んで担任に携帯電話を返した。  僕は軽くため息をついた。  人間は暗くて汚いと改めて思った。  その二日後、三上という市議会議員が事故で死んだニュースがテレビで流れていた。  僕はそれを見ながら朝食を済ませ、歩いて学校へ行った。  新しい自転車はまだ買ってもらえなかった。  多分ドラマや映画では僕は悪徳政治家の陰謀を潰す主人公になれるだろうが、今まで散々嫌な心の声を聞いた僕にはどうでもいい事が起きた感覚だった。  僕は正義の味方でもないし、もし誰かに市長が危ない事を考えていましたと言ったら僕が危ない奴だと思われてしまう。その位は僕もわかっていた。
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