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穴に堕ちながら、苦しむ高橋の顔が見えた。
真っ暗な部屋で寝ているところを、いきなり電気をつけられたような感覚になった。
急に高橋の姿が目の前に現れた。その姿は、中学生になっていて黒髪が綺麗な清楚な雰囲気の勉強ができそうな女の子だった。
そして高橋が死んだ原因が、フラッシュバックのように僕の頭の中で鮮明な映像になって現れた。
高橋は病気で亡くなったのではなく、地元の男たちにレイプされていた。
コンビニの帰りだったようで、雑木林の横をスウェット姿で歩く高橋を無理矢理押し倒す3人組の男たちが見えた。
高橋は必要以上に何度も何度も顔を殴られ、折れた鼻と血まみれの口から泡のような血が垂れていた。
最初は泣き叫んでいた高橋がぐったりとし、全身から力が抜けて男たちのやりたい放題になっていた。
男たちは高橋の髪の毛を鷲掴みにし、穴という穴をレイプした。
何度も殴られ、黒くなった地面に高橋の白い歯が散乱していた。
服を引きちぎられ、何度も殴られ、お腹を蹴られながらレイプされ続ける高橋を僕は見ていた。
僕のかなで、もの凄い勢いで記憶が蘇り、レイプされ続けている高橋を見ている僕がいた。
僕は雑木林の入り口で、レイプされている高橋をただただ眺めていた。
ぐったりとした高橋と目があったが、僕はなにもできなかった。
高橋の口からはゴポゴポと泡状の血が溢れ、目も殴られて真っ黒になっていた。
かすかに動いた口から声にならない声が聞こえたような気がした。
「た…す…け…」
僕は何もできずに、目の前のボロボロになった高橋を汚いとさえ感じていた。
そして、雑木林の中でゴミのようにボロボロになった高橋を置いて、1人で家に帰った。
あれから15年、僕の中から高橋の記憶は今の今まで完全に消えていた。
そして、高橋が死んだという母からの連絡で、再びあの時の時間が動き出した。
耐えられない時間と罪悪感。
僕はただただ恐怖と罪悪感に飲みこまれた。
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